政府、放棄地および未利用地に対し0.2%の課税を提案

2026年10月23日

10月23日午前、ゴ・ヴァン・トゥアン財務相は首相の委任を受け、法人所得税、非農地使用税、個人所得税の3法の改正・追加草案を国会に提出した。非農地使用税法の改正案において、政府は放棄地、未利用地、利用が遅延している土地に対し、限度面積(低い税率が適用される面積枠)を設けず、全面積に一律0.2%の税率を適用することを提案している。

本提案は、放棄地問題を克服し土地利用効率を高めるための「中央決議第21号」の制度化を目的とする。関連して、改正土地法草案では「放棄地」の概念が初めて明記された。例えば、24か月以上連続して放棄され、行政処罰後も利用が再開されない農地は国に回収される。進捗が遅延しているプロジェクトの場合、投資家は地代や土地使用料に加え、年々増加する追加額を納付しなければならず、60か月を超えても未開発の場合は土地が回収される。

これに対し、国会経済財務委員会のファン・ヴァン・マイ委員長は審査報告の中で複数の課題を指摘した。第一に、本草案は放棄地への課税による予算収入への影響評価を欠いている。第二に、不可抗力による期間や承認済みの段階的投資プロジェクトが除外されておらず、客観的な要因による遅延に課税される恐れがある。第三に、改正土地法草案には「未利用」や「利用遅延」の規定がなく、法的な参照基準が不十分である。第四に、不適切な土地利用に対し0.15%を課税する現行の非農地使用税法との矛盾が生じている。

同委員会は政府に対し、改正土地法草案との間で用語・概念・適用範囲を統一すること、および財政負担の重複を避けるため0.2%の税率と土地法に基づく納付金との関係を明確にすることを求めた。本改正案は11月20日に国会で可決されれば、2027年より施行される見通しである。

ハノイの経済圏を拡大する6つの新鉄道路線計画

2026年10月22日

ベトナム鉄道局のグエン・ティエン・ティン副局長によれば、現在、建設省は北部最大の鉄道拠点を再編する「ハノイ市頭端地域鉄道路線・駅計画」の審査・承認手続きを進めている。本案は11の国家鉄道路線と39の駅(主要4駅、中間・技術35駅)などを整備し、物流コストの削減と地域間連携の促進を目指すものである。

調査範囲内において、既存の5路線(ハノイ〜ハイフォン、ランソン、タイグエン、ラオカイ、ホーチミン間の計約179km)は安全な運行を維持するために改修・改良される。一方、約298kmに及ぶ以下の6路線を新たに建設し、新たな輸送軸を形成する。

①東部環状線(ゴックホイ〜トゥオンティン〜キムソン)

②西部環状線(タックロイ〜西ハノイ〜ゴックホイ、トゥオンティン)

③南北高速鉄道

④ラオカイ〜ハノイ〜ハイフォン線

⑤ハノイ〜クアンニン高速鉄道

⑥ハノイ〜ドンダン線

新設6路線はすべて標準軌(1,435mm)の複線で、交流25kV・50Hzの電化システムを採用する。設計速度は、南北高速鉄道が350km/h、ハノイ〜クアンニンが200km/h以上(軸重17トン)、ラオカイ〜ハノイ〜ハイフォンとハノイ〜ドンダンが160km/h、環状2路線が120km/h(各軸重22.5トン)である。高速路線には移動閉塞や車内信号などの高度なシステムが導入される。

貨物駅や港湾、空港との合理的な接続により、企業のサプライチェーン構築の選択肢を拡大する。さらに、ハノイ市マスタープランに基づき、公共交通指向型開発(TOD)に沿った都市開発と連動させることで、新たな成長拠点の形成が期待されている。

※TOD:Transit-Oriented Development

優先分野へのFDI誘致でブレイクスルーを創出:決議第10号を展開

2026年10月22日

2026年以降の2桁経済成長の実現に向け、政府は戦略的技術や先進製造業、高付加価値分野への海外直接投資(FDI)誘致を強化する「政治局決議第10号」の実行計画を展開している。

財務省外国投資局のブイ・トゥ・トゥイ副局長は、資本規模から質への転換や、結果重視の優遇措置への移行を強調した。9月22日に公布された政府決議第280号では、プロジェクト数や資本規模、優遇措置に頼った投資誘致競争からの脱却と、多分野における制度見直しを各省庁や地方に求めている。

半導体やAI、バイオテクノロジーといった優先分野での目標達成について、各界からは以下の見解が示された。

・AHKベトナム(:在越ドイツ商工会議所)のピーター・コンパラ代表
単なる優遇措置ではなく、R&Dや人材育成への投資を継続し、完全なイノベーションエコシステムを構築すべきである。

・ネスレ・ベトナム(Nestlé Vietnam)のビヌ・ジェイコブ総経理
グローバル・ミニマム課税により従来の税優遇の効果が薄れる中、透明性があり予測可能な政策枠組みが不可欠である。

・国会経済財務委員会のファン・ドゥック・ヒエウ専任委員
FDIの質向上には、経済全体の吸収能力を高め、プロジェクトの全ライフサイクルを網羅するアプローチが必要である。

さらに、FDI企業と国内サプライチェーンの連携も重要課題である。インテルが2006年に投資して以降、2022年にようやく初のベトナム国内サプライヤーを選定した事例が示すように、国内企業の能力向上が急務とされている。

これを制度化するため、財務省はハイテク案件や国内サプライヤー育成を行うFDI企業に対し、特別な優遇・支援を設ける「投資法」改正案や、投資支援基金に関する「政令第182号」の代替政令案を策定中である。

タン副首相、銀行に貸出金利1.5〜2%の引き下げを要請

2026年10月19日

10月16日午後、グエン・ヴァン・タン副首相は政府本部で年末の金融政策運営に関する会議を主宰した。本会議は、企業や国民の支援および経済成長の促進に向けた金利引き下げを重点とする「結論第106号(10月15日発行)」など、党や政府の指示を実行するためのものである。会議には、ベトナム国家銀行のファム・ドゥック・アン総裁や財務省、商業銀行の代表者らが出席した。

① 現状の課題とマクロ経済への圧力
タン副首相は、ベトナム国家銀行と財務省の緊密な連携によるインフレ抑制やマクロ経済安定化の成果を評価した。しかし、複雑で予測困難な世界情勢が金利、為替、インフレに大きな圧力を与えている。現在の貸出金利水準は依然として高く、企業や国民の資金コストや信用アクセスに影響を及ぼしているほか、不良債権や銀行業務のリスクには依然として複雑な要素が潜んでいると指摘した。

② 金利引き下げと今後の重点措置 トー・ラム書記長兼国家主席および首相の指示に基づき、タン副首相はベトナム国家銀行と各信用機関に対し以下の解決策に集中するよう求めた。

■ 貸出金利の引き下げ:生産・事業活動および優先分野に対する貸出金利を1.5〜2%引き下げる措置を実質的かつ迅速に実施する。また、社会住宅融資プログラムに参加する銀行に対し、国家銀行が合理的な金利で再融資(リファイナンス)を行う。

■ 柔軟な政策運営:インフレ抑制の目標を堅持し、2桁の経済成長を支援するため、積極的かつ柔軟な金融政策を財政政策などと緊密に連携させて運営する。

③ 不正行為の厳正な処罰と組織再編 ベトナム国家銀行総裁の直接的な指揮と責任の下、金利引き下げの指示に従わない機関や不健全な金利競争に対する検査と厳正な処罰を強化する。また、不動産分野を中心とする不良債権を徹底的に管理・処理し、弱小信用機関の再編を進める。

さらに、「裏庭(関連企業への不正融資)」、株式の相互持ち合い、隠れた所有、信用機関の経営への操作・支配といった問題を迅速に特定し、厳格に対処してシステムへのリスク波及を防ぐ。各信用機関には、コスト削減、デジタルトランスフォーメーションの推進、金利の透明な公開、およびリスク管理能力の向上が求められる。

最終局面の課題:第4四半期の経済成長率12.5%達成に向けて

2026年10月14日

2026年第3四半期の国内総生産(GDP)成長率は9.95%と加速し、1〜9月期全体で9.01%に達した。ゴ・ヴァン・トゥアン財務相はこれを長年での最高水準と評価し、レ・ミン・フン首相やグエン・ヴァン・タン副首相も称賛した。

■ 1〜9月期の主要成果

マクロ指標: 鉱工業・建設業が11.21%増など各分野が堅調に推移。

投資と地方経済: 海外直接投資(FDI)認可額は503億6,000万米ドル(前年同期比76.4%増)、公共投資実行額は約643兆ドン(計画比63%)。クアンニン省など12地域が2桁成長を達成した。

■ 目標達成への圧力と課題 年間目標である2桁成長(10%台)を達成するには、第4四半期に12.5%の成長が必要である。トゥアン財務相はこれを「非常に大きな課題」とし、鉱工業・建設業の目標未達、194億2,000万米ドルの貿易赤字、民間投資の伸び悩み、1,131件の未解決案件などの圧力を指摘した。

ホ・クオック・ズン副首相も、新たな成長動力が期待を下回っていると言及した。さらに、24地域が年間目標を下回っており、第4四半期にはハノイ市で16.6%、ホーチミン市で13.2%という極めて高い目標達成が求められている。

■ 成長への見通しと年末の対策 一方、タン副首相は、公共投資やFDIの実行、停滞案件の解消などに成長の余地があると強調した。アジア開発銀行(ADB)のシャンタヌ・チャクラボルティ・ベトナム国別ディレクターも、製造業や国内消費を評価し、今年のベトナムの成長率予測を7.8%へ上方修正している。

フン首相は、第4四半期における公共投資予算の100%執行を指示した。タン副首相によれば、これが達成できれば第4四半期の成長率を2.5ポイント、通年の成長率を1.7ポイント押し上げる効果が見込まれる。これを受け、ホーチミン市人民委員会のグエン・ロク・ハ副委員長は「2桁成長、予算収入1,000兆ドン、公共投資100%執行」の3大目標を掲げ、ハノイ市人民委員会のヴー・ダイ・タン委員長も年末の躍進を確約した。

ベトナム経済:2026年GDP目標10%達成に向け、第4四半期に12.5%成長が必要

2026年10月6日

統計局(財政省)の発表によると、2026年第3四半期のGDP成長率は前年同期比9.95%増となり、年初9カ月累計で9.01%に達した。国会が掲げる「通年で10%以上」という成長目標を達成するためには、第4四半期に約12.5%という極めて高い成長率を記録する必要がある。

第3四半期を牽引した3つの原動力

年初9カ月および第3四半期の高成長は、相互に連動する3つの要素に支えられた。
1. 公共投資: 執行加速が建設業を押し上げ、民間投資の誘発や中長期的な生産能力の向上につながった。
2. 製造業と輸出: 世界的な需要低迷の中でも加工・製造業が回復を維持し、輸出の拡大が国内生産の堅固な支えとなった。
3. 国内消費: 家計の最終消費が改善し、観光や宿泊などのサービス需要が下支え役を果たした。高付加価値型への消費構造転換も進む。

なお、科学技術、イノベーション、デジタル経済などの「新たな成長エンジン」も浸透しつつあるが、現段階では補助的な役割にとどまり、主導的な推進力となるには制度改革や人材育成の継続が求められる。

第4四半期の課題:資金・受注を実質的な生産へ転換

目標達成に向けたハードルは高く、マクロ経済運営には為替やエネルギー・原材料価格の変動による輸入コスト増やインフレへの警戒が欠かせない。最大の焦点は、投資資金、受注、年末需要をいかに迅速かつ確実に「実際の生産量」へ転換できるかである。
・公共投資は、用地確保や行政手続き、資材供給のボトルネックを解消し、資金を実際の施工量へ結びつける必要がある。
・経済の対外依存度が高いため、主要市場の貿易政策やサプライチェーンの変動が製造業の受注に直結するリスクがある。また、受注や資金繰り、物流費は企業(特に中小企業)の稼働維持に直接影響する。

第4四半期は、投資を建設量へ、受注を製品出荷へ、年末需要をサービス実績へと直結させることが、2026年通年の目標達成を左右する決定打となる。

ベトナム、2030年までに無人航空機の国家級飛行試験場3カ所を稼働へ

2026年10月5日

ベトナム共産党政治局は、新情勢下における低空域の開拓・管理・保護に関する「結論第99号」を発表した。低空域を国家主権と直結する新たな発展空間と位置付け、2030年までに国家級の無人航空機(UAV:Unmanned Aerial Vehicle)飛行試験場3カ所と研究・試験センター1カ所以上を稼働させる方針を決定した。

本方針は、半導体、人工知能(AI:Artificial Intelligence)、宇宙技術と連携しつつ、技術・データ基盤の自律性向上を目指すものである。主要UAV製品の国産化率目標を2030年に30〜40%超、2045年に85%超と設定。2045年には低空経済(低空域産業)を重要技術産業へ育成し、国内総生産の約1.5%を占める新成長エンジンと位置付けた。

管理体制では、2027年中に国際水準に適合した技術標準を整備する。低空域はエリアや高度層、リスク度別に区分管理され、登録・認証から運行・監視、違反対応までデジタル基盤上で一元統括される。また、国家計画や都市計画にも試験飛行エリアや制限空域の設定が組み込まれる。

産業振興策として軍民両用を基本方針とし、航空管制、自動運航、新素材等のコア技術獲得を推進する。税制・金融・用地の優遇策を通じ、物流、農業、救急医療、防災などの実需分野での商用化を促すほか、規制サンドボックス制度も導入する。公的調達による初期需要創出と国際協力を進め、独自技術と安全保障の両立を図る方針である。

サムスン、インテルがなくてもシンガポールの半導体産業がGDPの6%を占める理由

2026年9月29日

シンガポールの半導体産業は、サムスンやインテルのような大手チップメーカーが拠点を置かない中でも、GDPの約6%を占め、約3万5,000人の高度人材を雇用している。背景には、約60年にわたる長期的な産業政策と研究・開発を中心としたエコシステムの形成がある。

A*STAR(:シンガポール科学技術研究庁)のド・アイン・トゥアン主任研究員によると、要因は三つある。第一に、政府による長期的な投資と政策の継続性である。第二に、政府、大学、研究機関、企業の連携である。A*STARなどの研究機関が大学の研究者・学生と企業をつなぎ、共同研究や人材育成を促進している。第三に、透明な法制度と強固な知的財産保護であり、企業が中核技術を持ち込んで研究できる環境を整えている。

シンガポールは半導体製造だけでなく、設計、製造、パッケージング、テスト、製造装置などサプライチェーンの複数分野に展開している。世界のチップ生産の約1割、半導体製造装置の約2割を占めるとされる。

ベトナムが2030年までに5万人の半導体技術者を育成するには、短期的な工場誘致だけでなく、10~30年を視野に入れた人材・研究・開発の戦略が必要である。高額な研究設備も一括導入ではなく、大学・企業が共同利用し、段階的に整備する方法が考えられる。重要なのは、政府、企業、大学の政策・投資・人材育成を一体化し、継続的に研究開発能力を高めることである。

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