ベトナム統計総局(GSO)によると、2026年第1四半期のGDP成長率は7.83%を記録した。これは世界経済が不安定な中では明るい数字であるが、政府目標の9.1%には届かなかった。これを受け、目標達成には残り3つの四半期で10.5%以上の高成長を維持する必要がある。
【今後の成長シナリオと目標値】
目標達成に向けた各四半期のGDP成長率予測は以下の通りである。
・第2四半期: 10.5%(工業・建設業が12.6%増と牽引)
・第3四半期: 10.6%
・第4四半期: 10.74%
このシナリオは、輸出の加速、国内購買力の回復、および半導体やグリーン経済といった新産業の貢献を前提としている。
【成長を後押しする主な原動力】
・公共投資の拡大: ロンタイン国際空港や高速鉄道などの巨大インフラプロジェクトが「呼び水」となり、物流コストの削減とFDI(外国直接投資)の誘致を促進する。
・内需の活性化: 給与制度改革や消費刺激策により、1億人規模の国内市場の購買力を引き出し、サービス業や電子商取引を支える。
・柔軟な財政・金融政策: ガソリン税の調整や価格安定基金の活用により、コストプッシュ型インフレを抑制し、企業の利益率、収益性を下支えする。
・デジタルトランスフォーメーション(DX)とAI: AIや自動化の導入により、労働集約型から知識集約型モデルへ転換し、全要素生産性(TFP)を向上させる。
・自由貿易協定(FTA)の活用: FTAを最大限に活用し、電子部品やグリーンテキスタイルなどの主力製品をグローバルバリューチェーンの上位へとシフトさせる。
年間で2桁成長を目指すという歴史的な挑戦に対し、ベトナム政府は法的障壁の撤廃と公共投資の執行加速を急いでいる。中東情勢の沈静化と原油価格の安定が、目標達成のための重要な外部要因となる。
