2026年8月21日
ベトナム人海外労働者は40以上の国・地域で約86万人に上り、日本、台湾、韓国が主要な受け入れ先である。
・一般労働者または短期訓練修了者:全体の85~90%
・専門技術を持つ労働者:10~15%
主な就労分野は、製造、加工、建設、機械、農業、漁業、家事労働である。
ベトナム人海外就労者に関する違反行為への処分を定めた政令第283号が、9月10日に施行される。
1.海外就労者に対する処分
外国の使用者と労働契約を直接締結して海外で働く場合、契約を登録し、常住地の地方当局による確認書を取得する必要がある。
・居住地の人民委員会による契約登録確認書を取得せずに海外就労した場合:罰金500万~1,000万ドン(約2万9,500~5万9,000円)
・労働契約または職業訓練契約の終了後、脅迫や強制を受けていないにもかかわらず帰国せず、不法滞在した場合:罰金8,000万~1億ドン(約47万2,200~59万円)
後者は、刑事責任を問われない場合に適用される。
2.無許可の仲介行為も処分対象
海外就労支援の資格を持たない組織・個人が、次の行為を行った場合も8,000万~1億ドンの罰金対象となる。
・海外就労に関する情報提供、広告、相談
・労働者の募集または金銭の徴収
・海外での不法滞在を目的とした強要、勧誘、誘惑、詐欺
・海外就労者派遣事業の許可証の偽造
3.派遣企業の支店には最大2億ドン
派遣サービス企業の支店が、本社から委任された業務範囲または委任期間を超えて労働者を海外に派遣した場合、法人には1億8,000万~2億ドン(約106万2,400~118万円)の罰金が科される。
企業は罰金に加え、違法に徴収した金銭と、それに相当する利息を労働者へ返還しなければならない。
※日本円換算額は、ベトナム外商銀行の売却レート(1円=169.42ドン)に基づく概算である。
2026年7月28日
ベトナム政府は、農業・環境分野の行政手続きおよび事業条件を削減・簡素化する「10関連法改正案」を8月初旬の国会臨時会へ提出する。38の行政手続き削減、13の手続き簡素化、40の事業条件削減を柱とし、2024年比で計904日の手続き期間短縮と約1,899億ドン(約11.45億円 )のコンプライアンスコスト削減を見込む。
1. 規制緩和と地方分権の主な内容
本草案は、植物保護・検疫法、種苗法、畜産法、獣医法、水産法、水利法、堤防法、水資源法、気象水文法(国家的な気象・水象観測と防災に関する基本法)、地質・鉱物法の10法を対象とする。
・事前審査から事後点検への移行: 農薬登録証の有効期間を5年から10年へ延長し、家畜種苗の輸入管理を事前審査から事後点検へ移行する。種苗の流通における事業者・個人の自主公表を容認し、漁船の新造・改造施設に関する規制を廃止する。
・地方への大幅な権限委譲: 希少家畜遺伝資源の国際交換承認、獣医薬(ワクチン含む)製造適合証明の発行、鉱山閉鎖計画の承認などの権限を中央省庁から省級人民委員会へ移管する。河川敷プロジェクトの治水・堤防安全承認も省級人民委員会主席へ委任される。
2. 国会・専門委員会からの指摘と実務上の課題
国会常務委員会および専門委員会は改革の方針を高く評価しつつも、以下の実務リスクに注意を促している。
・国際基準との整合性: GMP/GMP-WHO基準(医薬品の製造・品質管理に関する国際基準)を満たす獣医薬製造施設の認定権限を地方へ移管することについて、WHO等の国際機関は一元的な国家管理体制のみを承認するため、輸出の技術的障害となる懸念が指摘された。また、戦略鉱産の分権化による資源流出リスクの評価も求められている。
・地方の執行能力と負担: 事後点検への移行に伴い、地方の監察・検査体制への負担が増大する。QRコード等を活用した自動追跡システムと予算の確保が不可欠とされる。
・独自規制発生の防止: 全国統一の技術基準が未整備のまま分権が進むと、自治体ごとに基準の解釈が異なり、独自の許認可が創出されるリスクがある。法律施行の少なくとも3ヶ月前までに中央省庁が技術基準を公布することが提案された。
国会常務委員会は、本法案を簡易手続きにて審議・可決することに同意した。政府は指導政令の策定段階において、地方の実行能力に応じたリソース配分を行い、国際条約との整合性を確保しながら投資環境の改善を目指す方針である。
※ベトコムバンク2026年7月28日の公表レート「1 JPY = 166.01 VND」に基づいて換算
2026年7月21日
技術移転法を細則化するベトナム政府政令第101号(101/2026/ND-CP)において、規制対象となる技術の名称に「Euro4」や「Euro5」といった製品の「排気ガス基準」が使用されている。これに対し、ベトナム自動車製造業者協会、ベトナム二輪車製造業者協会、および国内メーカーの専門家から、製品の品質基準と製造技術そのものが混同されており、法的な不透明感から技術移転や事業展開に著しい支障をきたすとの懸念が相次いでいる。
1. 規制における混同と技術的差異
政令101号の附録II(譲渡制限技術)および附録III(譲渡禁止技術)では、Euro4/Euro5相当の排気ガス基準を満たす自動車・二輪車・エンジン等の製造・組み立て技術が指定されている。しかし専門家らは、排気ガス基準は最終製品に対する環境要求であり、製造技術そのものを指すものではないと指摘する。
● 排気ガス基準の定義: Euro3〜6はEUが定めた排出ガス(CO、NOx、PM等)の上限値(製品のアウトプット)であり、製造ライン、ノウハウ、個別技術を記述したものではない。これは「5つ星安全基準」を自動車の製造技術と呼ぶのが不適切であるのと同様である。
● 構造の複雑性と技術の多角性: 自動車(約2.5万〜3万部品)や二輪車(約3,000〜5,000部品)は、多数の専門サプライヤーによる多様な技術の集合体である。排気ガス基準の達成は、燃焼最適化、高圧燃料噴射、EGR/SCRなどの技術の「統合・チューニング」によるものであり、「Euro5製造技術」という単一の技術取引は存在しない。既存ラインのジグ変更や高規格エンジンの採用のみで対応できるケースも多い。
2. あいまいな記述がもたらす実務上の法的リスク
実務においては単一の「Euro5技術移転」ではなく、個別技術のアップデートが継続的に行われるため、規定のあいまいさが査定現場での不透明感を生んでいる。
● 行政手続きの二重化: ECUソフトウェアの更新や触媒の変更といった通常の改定であっても、当局から「Euro5技術の移転」とみなされる恐れがある。結果として、技術移転の許可申請と製品の排気ガス適合認証という、同一目的のための「二重の手続き」を強いられる。
● 予見可能性の欠如と投資減退: 法的境界線が不明確な場合、企業は新規プロジェクトや技術導入を躊躇・遅延させ、技術の現地化ではなく完成車・ユニットの輸入へ切り替えるリスクがある。これは国内裾野産業の育成方針と逆行する。
3. 技術管理と製品管理の「二元分離」に向けた提言
業界団体および専門家は、政令101/2026/ND-CPの改訂において、管理軸を「技術」と「製品」で明確に切り分けることを強く求めている。
● 技術評価の適正化: 技術移転の制限・禁止は、製品の排出ガス基準ではなく、設備の耐用年数、自動化レベル、エネルギー消費効率、精度制御力、次世代への拡張性といった「技術・設備の客観的性能」に基づいて判定すべきである。
● 製品管理の既存枠組み活用: 流通する車両の環境適合性については、登録総局傘下の原動機付道路交通手段排気ガス試験センター等による現行の型式指定・品質認証制度で管理すれば十分である。
2026年7月1日
2026年7月1日、ベトナムにおいて「2025年デジタル・トランスフォーメーション法」および「2025年ハイテク法(改正)」が正式に施行された。
両法は、デジタル政府・デジタル経済・デジタル社会の推進に向けた統一的な法枠組みを規定すると同時に、戦略的技術およびコア技術の研究開発(R&D)を促進し、ベトナムの技術的自立能力および国際競争力を高めるための「二重のテコ」として機能することが期待されている。
1.2025年デジタル・トランスフォーメーション法:初の統一的法枠組みの確立
従来のデータ分散やプラットフォームの相互接続性不足といったボトルネックを解消し、国家規模での包括的なデジタル化を統制する。
・全主体の包括的規律: 政府機関、組織、企業、個人のデジタル活動を一元的に調整する原則と国家調整メカニズムを確立。
・データの同期・相互接続の義務化: デジタル・システム、データベース、デジタル・サービスの構築において、国家デジタル総合アーキテクチャ枠組みおよび国家データ管理枠組みへの準拠を義務付け、分散投資や局所的な囲い込みを是正する。
・市場の健全性・安全性の確保: システムやデータへの不正アクセス、不正なデータ採掘、デジタル技術を悪用した詐欺、市場独占・競争制限など、5つの禁止行為グループを規定。
・財政資金の長期的コミットメント: 国家の科学技術・イノベーション・DX予算(国家予算総支出の最低3%)のうち、最低1%を毎年DX分野に確約・配分する。
2. ハイテク法(改正):戦略的テクノロジーの法制化とR&D重視への転換
デジタル国家の基盤となる技術力そのものの向上と、持続可能な発展のための構造改革を目指す。
・戦略的技術・コア技術の定義: 国家の自立能力や長期的な競争優位性に直結し、国防・安全保障に関わる「戦略的技術」「コア技術」「戦略的技術製品」「戦略的技術企業」の概念を初めて法制化。技術リストは固定せず、発展段階に応じて定期的に更新される。
・実質的なR&D優遇措置: 単なる低コスト(減税等)による投資誘致から、実質的なR&D投資、コア技術の移転、研究成果の商業化を評価する仕組みへ転換。R&D要件を満たす企業に最高レベルの優遇措置を適用する。外資系投資に対しては、コア技術の移転と国内企業との連携を優先する。
・行政手続きの簡素化: 従来の「ハイテク企業認定証」を廃止し、基準に基づく「企業による自主評価メカニズム」へと移行。
・公共調達による市場創出: 国家予算を使用する公共調達(入札、投資、リース)において、国内のハイテク・戦略的技術製品・サービスを優先的に採用。国家が「最初の顧客」となることで、国内の技術エコシステム拡大を支援する。
・技術のローカライズ推進: 技術の解読、技術ノウハウの購入、輸入依存度の高いコア技術の部品・製品の代替製造に対する特有の支援メカニズムを構築。
3. 高度技術人材の誘致と「研究リスク」の許容
イノベーションを加速させるため、人的資本の拡充と研究環境の柔軟性を担保する制度が盛り込まれた。
・専門家への優遇措置: 研究者、高度技術専門家、在外ベトナム人、および外国人専門家に対し、税制、労働環境、研究インフラへのアクセス、知的財産権保護の面で優遇措置を供与する。
・R&Dにおける失敗の許容: 科学技術研究や技術開発に潜む不確実性や失敗のリスクを許容する「免責・容認メカニズム」を導入。これにより、研究者が大胆なイノベーションに挑戦できる環境を醸成する。
2026年4月22日
ベトナムはデジタルトランスフォーメーション(DX)において高い適応力を示し、AI(人工知能)の活用が急速に進んでいる。しかし、この技術の台頭は、投資効率の管理不足やサイバーセキュリティリスクの増大という新たな課題を企業に突きつけている。専門家は、受動的な防衛から、データに基づいた能動的な管理戦略への転換を促している。
【AI導入における課題と戦略:投資効率と管理の完成度】
アビームコンサルティング・ベトナム(ABeam Consulting:日本に本社を置くグローバルコンサルティングファーム)の織田遼平総支配人は、日本のAI活用が労働力不足の解消を目的とするのに対し、ベトナムでは人間の能力を補完するツールとしての側面が強いと指摘する。
・管理体制の遅れ: 技術水準は国際基準に近いものの、運用管理の成熟度が追いついていない。特に製造業において、AI統合による効率化の余地が大きく残されている。
・投資の最適化: 目的が不明確なトレンド追随型の投資による資源の浪費が懸念されている。企業は「純粋なベトナム製AI」の開発などを通じて、コスト最適化と国内市場へのカスタマイズを両立させる必要がある。
・法人向けAIの重要性: 情報漏洩を防ぐため、個人向けAIと、セキュリティ制御が強化された法人向け(エンタープライズ)AIを明確に区別して運用することが推奨される。
【深刻化するサイバーセキュリティリスク】
AIの普及に伴い、サイバー攻撃はより巧妙化している。
・脅威の現状: カスペルスキー(Kaspersky:世界的に有名なサイバーセキュリティソリューションの提供企業)のデータによると、ベトナムでは年間2380万件以上のオンライン攻撃が記録され、国内企業の約34%がサプライチェーン攻撃の標的となっている。
・攻撃の高度化: 標的型攻撃やAIを悪用した攻撃、モバイルデバイスの脆弱性を突く攻撃が増加し、財務的損失やブランド毀損のリスクが高まっている。
【主動的な防衛策:セキュリティ運用センターの構築と法的遵守】
従来の断片的な防衛策から、統合的な「能動的防衛」への移行が不可欠である。
・次世代セキュリティ運用センターの導入: AIを統合したセキュリティ運用センターの構築により、脅威の検知・対応を自動化し、リアルタイムの脅威インテリジェンスを活用する体制が求められる。
・コンプライアンス: ベトナムの個人データ保護法の施行に伴い、データ管理は戦略的優先事項となった。セキュリティ運用センターはデータの監視と法的遵守を担保する役割も担う。
・具体的対策: ホワイトハッカーによるシステム診断、事案発生時の事業継続計画の策定、および従業員へのフィッシング訓練を通じた意識向上が推奨される。
2026年4月21日
2026年3月1日より、ベトナム政府は政令第357/2025/NĐ-CP(以下、政令357号)に基づき、国内のすべての不動産に対して「電子識別コード(IDコード)」を正式に発行する。これにより、土地や住宅は単なる物理的な存在から、国家データベース上で一意に識別されるデジタル実体へと移行する。市場の透明性向上が期待される一方で、個人所有情報の保護が管理上の大きな課題となっている。
【データの「孤島」を解消する連結性】
これまでベトナムの不動産情報は、地籍機関、建設部門、銀行、公証役場などに分散しており、情報の照会には多大な労力と時間を要していた。
・情報の統合:IDコードが「糸」のような役割を果たし、都市計画、抵当権の設定状況、紛争歴、取引履歴などの分散したデータを同期する。
・資産価値の明確化:資産のライフサイクル全体におよぶデータ履歴が形成されることで、資産査定が容易になり、法的なリスクやトラブルの減少につながる。
【透明性とプライバシーの境界線】
データが集約されるほど、個人情報や財務情報の漏洩リスクも高まる。
・プライバシーへの懸念:所有権データが適切に管理されない場合、一方的な営業活動やマーケティングに悪用されるだけでなく、個人の安全を脅かす可能性もある。
・管理メカニズムの重要性:単なるセキュリティ技術の問題ではなく、「誰が、いつ、どのような目的でアクセスできるのか」という権限設定と、不正利用に対する説明責任の明確化が求められる。
【持続可能な市場構築に向けた解決策】
先進国の事例に基づき、透明性と機密保持のバランスを保つための「階層型アクセス」が提案されている。
① 一般公開層:都市計画や紛争状況など、民間の安全な取引に必要な基本情報のみを公開。
② 制限データ層:所有者の詳細、取引履歴、納税義務などの機密情報は、当局や直接の利害関係者のみにアクセスを限定し、厳格なアクセスログを記録する。
不動産IDコードの導入は、国家のデジタル化プロセスにおける必然的なステップである。このシステムの成功は、高度な技術や暗号化アルゴリズムだけでなく、設計・運用段階における厳格な情報保護体制にかかっている。国民が「自分の資産情報が透明かつ安全に管理されている」と信頼できる環境を構築することこそが、不動産市場の持続可能な発展のための強固な土台となる。
2026年4月1日
ベトナム政府は2026年3月31日、投資法の一部条項の実施に関する詳細なガイドラインを規定する政令第96/2026/ND-CP号を発出した。本政令は、法改正時における投資優遇措置の維持や、投資家への情報提供義務などを明確化し、投資環境の透明性と安定性を高めることを目的としている。
【法改正時における投資優遇の保証】
投資家が既に適用を受けている投資優遇措置に対し、後に施行された法的文書が不利益な変更をもたらす場合、投資法第12条に基づき、既存の優遇措置の継続が保証される。
・対象となる優遇措置: 投資許可証、投資登録証明書(IRC)、投資方針決定書、およびその他の所轄官庁が発行した文書に規定された内容。
・申請手続き: 投資登録機関(各省・地方の計画投資局)は、投資家からの有効な申請書を受領後、30日以内に投資保証措置の適用を検討・決定しなければならない。
【投資家への情報提供義務(5営業日以内)】
・投資登録機関、都市計画・土地利用計画、資源・環境、建設等の各管理機関は、計画情報や投資プロジェクトリストを公表する責任を負う。
・迅速な対応: 投資家から計画情報等の提供依頼があった場合、各当局は依頼受領から5営業日以内に回答しなければならない。
・情報の活用: 投資家は提供された情報を、プロジェクトの書類作成や実施に活用する権利を有する。
【投資禁止および条件付き投資分野】
・投資禁止分野: 投資法第6条に規定される禁止業種(麻薬、規定化学物質・鉱物、絶滅危惧野生動物取引等)での事業活動は厳禁である。
・条件付き分野: 投資法附録IV(銀行・保険などの金融業、 不動産開発・不動産仲介 、教育・職業訓練 、医療サービスなど数百にのぼる)に規定される業種については、法的な条件を充足した時点から事業が可能となり、操業期間中はその条件を維持し続ける義務がある。
・行政の透明性: ライセンスの発行、延長、修正を拒否する場合、所轄官庁は投資家に対し、理由を明記した書面で通知しなければならない。
2026年3月26日
現在、ベトナム政府内で検討されている航空運送事業に関する新政令案において、航空会社への外国人出資上限(外資キャップ)を現行の34%から49%に引き上げる提案が出されている。これに対し、国家空域の主権や経営支配権の維持を懸念する声と、外資導入による市場活性化を期待する声が対立している。
【ベトナム航空:34%維持を主張】
ナショナルフラッグキャリアであるベトナム航空(VNA)は、現行の34%を維持すべきとの立場を崩していない。レ・ホン・ハ総局長は以下の懸念を表明した。
・国家主権と安全保障: 航空業は単なる商業活動ではなく、国防・安全保障に直結する「戦略的インフラ」である。外資の支配力が強まれば、離島や遠隔地などの不採算路線の維持といった公的な調整機能が損なわれる恐れがある。
・実質的な支配権の喪失: 出資比率が35%を超えると、企業法に基づき重要事項への「拒否権」が外資側に発生する。これにより、戦略的意思決定が国外にシフトするリスクがある。
・利益の不均衡: 好況期には利益が国外へ流出する一方、危機的な状況下での救済負担はベトナム政府が負うという構造的な不公平が生じる。
【他社の動向と当局の視点】
・バンブーエアウェイズ(BAV): 航空運送本体の比率には言及しない一方、空港運営や整備、給油などの「航空サービス分野」については、技術・管理経験の導入のため50%超(最大66%)まで外資比率を認めるべきだと提案している。
・交通運輸省(起草担当): 49%への引き上げは、国際的な開放公約に合致し、企業の資金調達や管理能力向上に寄与すると主張。国内資本が筆頭株主である条件を維持すれば、国防上の緊急事態における制御不能な事態は回避できるとしている。
34%という水準は、外資の技術・資金を取り入れつつ、国内資本の主導権を担保する「安全なバッファ」であるとするベトナム航空の主張に対し、さらなる市場開放を求める声もあり、政府の最終的な判断が注目される。