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2026.3.26

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ベトナム航空各社、外国人出資比率の引き上げを巡り賛否両論

現在、ベトナム政府内で検討されている航空運送事業に関する新政令案において、航空会社への外国人出資上限(外資キャップ)を現行の34%から49%に引き上げる提案が出されている。これに対し、国家空域の主権や経営支配権の維持を懸念する声と、外資導入による市場活性化を期待する声が対立している。


【ベトナム航空:34%維持を主張】 
ナショナルフラッグキャリアであるベトナム航空(VNA)は、現行の34%を維持すべきとの立場を崩していない。レ・ホン・ハ総局長は以下の懸念を表明した。
・国家主権と安全保障: 航空業は単なる商業活動ではなく、国防・安全保障に直結する「戦略的インフラ」である。外資の支配力が強まれば、離島や遠隔地などの不採算路線の維持といった公的な調整機能が損なわれる恐れがある。
・実質的な支配権の喪失: 出資比率が35%を超えると、企業法に基づき重要事項への「拒否権」が外資側に発生する。これにより、戦略的意思決定が国外にシフトするリスクがある。
利益の不均衡: 好況期には利益が国外へ流出する一方、危機的な状況下での救済負担はベトナム政府が負うという構造的な不公平が生じる。

【他社の動向と当局の視点】
バンブーエアウェイズ(BAV): 航空運送本体の比率には言及しない一方、空港運営や整備、給油などの「航空サービス分野」については、技術・管理経験の導入のため50%超(最大66%)まで外資比率を認めるべきだと提案している。
交通運輸省(起草担当): 49%への引き上げは、国際的な開放公約に合致し、企業の資金調達や管理能力向上に寄与すると主張。国内資本が筆頭株主である条件を維持すれば、国防上の緊急事態における制御不能な事態は回避できるとしている。

34%という水準は、外資の技術・資金を取り入れつつ、国内資本の主導権を担保する「安全なバッファ」であるとするベトナム航空の主張に対し、さらなる市場開放を求める声もあり、政府の最終的な判断が注目される。