2026年3月2日
ベトナムが2026年から2030年にかけて掲げる「高く、持続可能な成長」という目標と、それを実現するために必要な制度改革の主なポイントは、以下の通りである。
・成長モデルの転換
従来の「資本・安価な労働力・資源依存型」の成長モデルから脱却し、科学技術・イノベーション・デジタル化を基盤とする新たな成長モデルへ移行する必要がある。
・制度改革の重要性
法律や規制の改正が頻繁で、かつ重複や不整合が多い現状は、企業が長期的な戦略を策定するうえで大きな障害となっている。これを改善するため、一貫性のある法制度の構築と、より高い透明性の確保が求められる。
・科学技術投資の拡大
2030年までに社会資源の60%以上を科学技術分野に投入することを目標としている。その実現には、企業の研究開発(R&D)投資を促進するための具体的かつ実効性のある政策が不可欠である。
・土地管理と都市計画
土地利用における透明性と公平性を確保し、利益相反や不平等を防止することが重要である。これにより、社会的安定の維持と投資環境の改善が期待される。
・金融市場の安定化
突発的な政策変更を回避し、企業が安心して資金調達を行える安定的な金融環境を整備する必要がある。特に、企業債券市場の健全な発展は、銀行依存型の資金調達構造を是正するうえで重要な鍵となる。
・中小企業支援の強化
経済の大部分を占める中小企業が、資金や技術へより円滑にアクセスできるよう、支援策を一層強化する必要がある。
単なる数値目標としての成長を追求するのではなく、制度改革の深化、科学技術の推進、資源配分の公平性の確保、そして金融市場の整備を通じて、ベトナムが持続可能な発展を実現し、国際的地位のさらなる向上を目指す姿勢が強く打ち出されている。
2026年2月25日
2025年末時点で、ベトナムの金融アクセスは大きな進展を遂げた。政府が推進してきた国家金融アクセス拡大戦略(2020~2025年)の主要指標はいずれも目標を上回り、誰もが利用できる金融基盤の構築が着実に進んでいる。
主な達成指標(2025年末時点)
1. 銀行口座保有率
・成人の約86.97%が銀行の決済用口座を保有。
・目標(80%以上)を大きく上回った。
2. 貯蓄行動の拡大
・成人の33%が過去12か月以内に銀行へ貯蓄を預け入れ。
・目標(25~30%)を超過。
3. 非現金決済の急拡大
・非現金決済取引件数は年平均約58.9%増加。
・目標(20~25%増)を大幅に上回る成長。
4. 中小企業向け融資
・約29万社の中小企業が金融機関から融資を受け、
・目標(25万社以上)を達成。
5. 信用情報システムの整備
・成人の71%が信用情報システムに登録。
・目標(70%以上)をクリア。
2020~2025年戦略で設定された62の課題はすべて完了し、法制度の整備、デジタル決済の普及、金融教育の推進などにおいて顕著な進展が見られた。
一方で、地方・農村部における金融サービスへのアクセス不足一部層における金融リテラシーの低さなどの課題は依然として残っている。
次期戦略(2026~2030年)の方向性
次期フェーズでは、より高い水準の金融アクセス拡大を目指す。
・成人の95%が銀行口座を保有
・非現金決済規模をGDPの30倍へ拡大
重点分野は以下の通り:
・「誰一人取り残さない」金融サービスの実現
・金融のデジタル化およびグリーン化の推進
・社会的公正の確保と持続可能な発展の支援
総じて、ベトナムは金融アクセスの拡大とデジタル化において地域内でも先進的な進展を示しており、次期戦略では量的拡大から質的高度化へと移行する段階に入るといえる。
2026年2月17日
Nguyen Van Thang財務大臣が、Vietnam Investment Review(VIR)とのインタビューで述べたところによると、2025年は第13期党大会の最終年として、金融セクターにとって制度改革と組織再編を本格的に推進した重要な一年となった。
同大臣によ、大規模な法整備を通じて、財政運営の安定性を高めるとともに、中長期的な成長基盤の強化を図ったという
1. 制度改革の加速
ベトナム財務省は以下を実施:
法律・決議:28件提出
政令:86件提案
通達:144件発行
特に、科学技術、デジタル変革、国際金融センター設立といった新分野の法的枠組み整備を推進。
財政政策は拡張的に運営され、金融安定の確保、インフレ抑制、経済成長支援を同時に実現した。
2. 財政面の主な成果
国家予算収入:約1,066億ドル(過去最高)
→ 予算見積もりを35%以上上回る達成。
税制政策:優遇・減免措置を実施しつつ、収入構造は生産・事業活動に基づく持続的基盤へ転換。
公共投資:開発投資を優先し、過去最大規模の約440億ドル超を計画・実行。
3. 組織再編の進展
関連機関の統合・簡素化により、運営効率と政策実行の一体性が向上。
再編過程においても財政・予算管理は安定的に維持され、政策の継続性が確保された。
4. 今後の重点課題(2026–2030期)
第14回党大会を見据え、次の戦略課題に注力する。
①第14回党大会決議の迅速な制度化・実行。
②国有企業改革の深化と民間セクターの成長促進。
③拡張的財政政策の継続と金融安定の両立。
④透明性と統合性を備えた株式市場の発展、国際資本の誘致。
⑤グリーンボンド、デジタル資産など新金融商品の制度整備。
⑥行政改革・デジタル化推進による透明で競争力あるビジネス環境の構築。
2025年は、制度整備・財政拡張・組織再編を同時並行で進めた「構造改革の年」であった。
2026–2030期は、その成果を実体経済の競争力向上と国際資本市場との接続強化へと昇華させるフェーズに入る。