ベトナム商工省(MOIT)は、競争的な電力市場の発展に向け、ベトナム電力グループ(EVN)から国家送電総公社(EVNNPT)を早期に分離し、省庁の管理下に移管する方針を示した。10月7日に開催された記者会見にて、商工省電力局のブイ・クオック・フン副局長が明らかにした。なお、給電指令を担う国家電力系統・市場運用会社(NSMO)は、既にEVNから分離され、商工省の管理下に移管されている。
発電部門と国家戦略発電総公社の設立構想
発電部門についてフン副局長は、再編計画に基づき、EVN傘下の発電総公社5社の株式会社化と国家資本の撤退を継続すると述べた。
同時に、当局は「国家戦略発電総公社」の設立を検討しており、当面はEVN傘下に置く。長期的にはソンラやホアビンなどの多目的戦略水力発電所や、将来の原子力発電プロジェクトを同公社に組み込む予定である。
配電・小売部門の段階的な分離
配電および小売部門については、現在EVN傘下の電力総公社5社に混在している両活動を段階的に分離する。初期段階で配電と小売の費用を分離し、その後、組織と所有権の分離を実施する方針である。
フン氏は、各機関の財務能力やリスク管理能力を確保し、競争的な電力卸売・小売市場の発展基盤を構築するためには、再編をロードマップに沿って実行する必要があると強調した。
電源および送電網開発の現状と課題
同記者会見では、電源および送電網の開発が計画より遅れていることも報告された。年初9カ月の電源総容量の伸びは約3.5%にとどまり、目標の6.6%を下回っている。
電力局の幹部によれば、第8次国家電力マスタープラン(PDP8)およびその調整版では、需要を満たす電源と送電網の計算がなされている。しかし、多くのプロジェクトの実際の進捗は、承認手続き、投資家の選定、土地収用や立ち退き、電力売買契約の交渉、価格メカニズムなどの影響を受けている。
フン氏によると、電気料金を含む一部の政策が、民間や海外投資家にとって十分に魅力的なものではないという。その一方で、電源プロジェクトへの資金需要は非常に大きく、国家、民間、国際投資家からの資源動員が強く求められている。
電力供給確保に向けた今後の解決策
これに対し商工省は、2027〜2030年の電力供給確保に向けた解決策の全体報告書を政府に提出した。解決策の1つとして、PDP8の継続的な調整、および供給ニーズに応じた電源・送電網の再構築を挙げている。
また、同省は10月17日開幕予定の国会に電力法改正案を提出し、電源・送電網投資の障壁を取り除くためのメカニズムを設ける方針である。同時に、計画に盛り込まれたプロジェクトの実施、特に投資手続きや土地収用・立ち退きにおいて地方自治体の責任を強化することを提案している。
