ベトナム民間最大手ビングループは10月6日、鉄道車両・インフラ世界大手の仏アルストムと、車両供給および技術移転に関する契約を締結した。ハノイ市の都市鉄道(メトロ)網向けに次世代型「メトロポリス」計200編成を導入する計画で、そのうち117編成をベトナム国内で製造・組み立てる方針である。
契約内容と車両スペック
導入される車両は5両編成の次世代モデルで、安全性と省エネ性能を追求した設計となっている。
・軽量化と高積載: 車体にアルミニウム合金を採用し、軸重低減により軌道への負荷軽減と省エネを実現。幅広設計で車内空間と収容力を最大化した。
・高水準の自動運転: 最高レベルの完全自動無人運転に対応。回生ブレーキとディスクブレーキを併用し、減速時のエネルギー回収と安全性を両立する。
・生産体制の分担: 先行する83編成はフランスのバランシエンヌ工場で製造。残り117編成については、アルストムが重要部品の供給や技術移転、設備導入を支援し、ビングループが国内での組み立て・生産を担う。
国内鉄道産業の自立とハノイのインフラ構想
本契約は単なる車両調達にとどまらず、ベトナム国内における鉄道製造能力の構築を目的としている。長期的には、製造や組み立てから保守管理に至るまで、グローバルな鉄道産業バリューチェーンへの参入を見据える。
ハノイ市は2045年までの都市マスタープランにおいて、計18路線・総延長約979kmにおよぶ東南アジア有数の規模のメトロ網整備を掲げている。子会社ビンホームズを通じてハノイのメトロ事業の総合請負業者を務めるビングループは、先進技術の国産化を進めることで、首都の交通渋滞緩和や環境改善に貢献するとともに、将来の高速鉄道計画も見据えた国内鉄道産業エコシステムの基盤づくりを目指す。
