現金決済や取引の分割、振込名義・内容の変更によっても、事業者の納税義務は変わらない。ハノイの一部店舗では現金払いを求めたり、銀行振込の場合に商品代金とは別に「税金」として追加料金を求めたりする事例が確認されている。
専門家によると、個人・世帯事業者は決済方法にかかわらず、実際の売上を申告し、規定に従って請求書を発行する必要がある。複数口座への分割入金や取引内容の変更も、税務当局によるデータ照合の対象となり得る。
2025年6月1日からは、年商10億ドン以上で消費者向けに商品・サービスを直接提供する対象事業者に、税務当局とデータ連携するレジ発行型電子請求書の利用が拡大された。請求書には商品名、数量、単価、決済額、発行時点などが記録され、売上管理に活用される。
また、商品販売時の請求書発行時点は、代金の受領の有無にかかわらず、商品の所有権・使用権を買い手に移転した時点である。実際の取引額より低い金額を請求書に記載して申告所得を過少計上し、脱税に該当する場合は、追徴課税に加えて脱税行為として処分される可能性がある。請求書を発行しない場合の行政処分も、違反件数に応じて定められている。
現金中心の取引は税務面だけでなく、事業者の売上・資金流入の履歴にも影響する。銀行は信用審査で取引データを活用するため、明確な入出金記録が少ない場合、融資時の売上・資金実態の証明が難しくなる可能性がある。
税務当局は現在、電子請求書、申告売上などのデータ連携とリスク分析を進め、売上の未申告や請求書上の過少計上など、不自然な取引の把握を強化している。
