News Pickup

ニュースピックアップ

2026.9.24

経済

金融

その他

ベトナムの銀行、流動性と満期ミスマッチへの対応が課題

ベトナムの銀行システムでは、預金が過去最高水準に達する一方、信用拡大に伴う資金調達と満期ミスマッチへの対応が課題となっている。2026年7月末の預金残高は約1京7,460兆ドン(約103兆円)に達し、うち個人預金は1京1,220兆ドン(約66.2兆円)で、2025年末比8.56%増加した。

一方、信用残高は2京260兆ドン(約119.5兆円)に拡大し、2026年1~7月だけで約1,670兆ドン(約9.85兆円)の資金が市場に供給された。問題は短期的な流動性不足ではなく、短期預金を中心とする調達構造と、中長期融資の拡大による期間構造のミスマッチである。中長期融資の比率は33.2%に上昇し、顧客預金が総調達額に占める割合は2026年上期に59.8%まで低下した。

このため、銀行は社債などの有価証券発行を中長期資金の調達手段として拡大している。26行の有価証券残高は2026年6月末に1,960兆ドン(約11.6兆円)となり、年初比16.7%増加し、顧客預金の5.5%増を大きく上回った。こうした調達は、貸出・預金比率(LDR)の管理、中長期融資に利用できる短期資金比率の規制対応、自己資本の補完という役割を持つ。

特に銀行債は、発行コストの上昇が新たな負担となっている。2026年には発行金利が一時年10%に達し、調達コストの上昇が純金利マージン(NIM)を圧迫する可能性がある。7~8月には銀行による有価証券発行が市場全体の社債発行額の約88~89%を占めた。

下期も信用拡大が続く見通しに加え、約75兆ドン(約4,420億円)の劣後債発行計画が一部未達で、約20兆ドン(約1,180億円)の銀行債が借り換え時期を迎えており、資金調達圧力は続くとみられる。

また、インフラ事業では長期資金需要が大きい一方、銀行システムの調達資金は短期が中心であり、大規模インフラ投資を銀行融資だけで支えることには限界がある。このため、政府予算、ODA、国際融資、海外投資など、多様な資金源を組み合わせる必要がある。

※円換算額は、2026年9月24日の提示売却レート1 JPY=169.54 VNDを基に算出した。