科学技術省のレー・スアン・ディン副大臣は9月21日、カインホア省で開かれた原子力発電に関するセミナーで、ベトナムが原子力発電計画を進めるには、法的枠組みの整備、人材育成、国内の関連産業の発展を早急に進める必要があると述べた。
同副大臣は、原子力発電は安定した電力供給、高い設備利用率、低い炭素排出量という特徴があり、再生可能エネルギーの比率が高まる電力システムを支える役割を持つと説明した。2024年末には国会が、8年間停止していたニントゥアン原子力発電計画の再開方針を決定している。
同氏によると、原子力発電は単なるエネルギー事業や技術選択ではなく、安全保障、人材、インフラ、資金、規制などを含む長期的な国家規模のプログラムである。そのため、国際基準に沿って慎重かつ透明性のある準備を進める必要がある。
現在の最優先課題は、原子力発電所の全ライフサイクルを対象とする法制度、規則、技術基準の整備である。各機関の権限と責任を明確化するとともに、規制当局が審査、許認可、監督を行える専門性と十分な資源を確保することが求められる。
人材育成も重要な課題である。2025年5月に承認された人材育成計画では、2030年までにニントゥアン1号・2号原子力発電所の運営などに必要な約4,000人を確保し、そのうち2,000人以上を大学・大学院レベルとする目標が設定されている。国内外の専門家を活用し、研究機関や大学による独立した技術支援体制を構築することも必要とされる。
また、建設、機械、技術サービスなどのサプライチェーンに国内企業が参加できる環境を整え、国内の原子力関連産業を段階的に形成することも課題となっている。
ニントゥアン1号はベトナム電力公社、2号はベトナム国家産業エネルギーグループ(ペトロベトナム)が投資主体となり、それぞれ2基の原子炉を建設する計画である。カインホア省では用地取得や住民移転への対応が進められており、共用インフラとして道路、港湾、給水、送電、デジタル、医療などの整備も求められている。
セミナーでは、中央政府、地方政府、投資主体の役割分担を明確にし、安全文化の確立、最新技術の導入、国際的な知見の活用を重視すべきだとの意見も示された。
