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2026.9.14

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ベトナム、外資企業の上場促進で投資資金の循環へ

ベトナムでは外国直接投資(FDI)が経済や輸出を支える一方、外資企業の株式市場参加は限定的である。質の高い外資企業の上場を促し、既存投資を新たな生産投資へ循環させる仕組みが課題となっている。

1.上場外資企業は約10社

ベトナム国家証券委員会によると、上場・取引登録企業約1,600社のうち、外資企業は約10社にとどまる。2025年末の資本金合計は12兆6,290億ドンで、市場全体の0.15%にすぎない。直近の新規上場も2017年であり、その後約10年間、新たな外資企業の上場はない。

2.投資許可時の条件が障壁

外資企業は上場前に、投資優遇と引き換えに約束したインフラ整備、事業継続期間、株式譲渡制限などの履行状況を確認する必要がある。さらに、資本・株主構成の変更、税制優遇期間の納税義務、外国為替、複層的な所有構造など、投資法、企業法、証券法にまたがる問題が生じる。

2025年施行の政令により、新規株式公開(IPO)と上場申請の同時処理や、承認後の取引開始期間の短縮が可能になった。しかし、証券手続き以外は複数機関との個別調整が必要で、判断基準や所要期間の不確実性が残る。

3.市場高度化とFDI政策の転換

FTSE Russellは、ベトナム株式市場を2026年9月21日から「フロンティア市場」から「第2次新興市場」へ格上げし、2027年9月まで段階的に移行する予定である。一方、IPO市場の回復は一部企業に限られている。

政府のFDI政策も、投資額の量的拡大から、生産性向上や国内経済への波及効果を重視する方向へ移っている。

4.上場で三つの資金効果

外資企業が上場すれば、企業は増産向けの自己資本を調達できる。創業投資家は一部資金を回収して別事業へ再投資でき、株式市場には実体経済を反映する企業が加わる。

必要なのは上場基準の緩和ではなく、共通手順、事前相談制度、明確な回答期限を整備し、手続きの予見可能性を高めることである。半導体、人工知能、データセンター、エネルギーなど長期資金を要する産業では、銀行融資に加え、資本市場を通じてFDIを次の投資へ循環させる仕組みが重要となる。