ベトナムは2045年の高所得国入りに向け、安価な労働力と外資に依存する成長から、生産性、技術、イノベーションを重視する経済への転換が課題である。世界的な供給網再編とデジタル化、脱炭素化がその機会となる。
1.生産規模の拡大から高付加価値化へ
2025年の国内総生産は8.02%増、貿易総額は前年比18.2%増の約9,300億7,000万ドル(約144兆円)となった。一方、外資系企業が輸出の約70%を占め、国内企業は組立や低付加価値の部品生産に偏る。 ※円換算額は、べトコムバンクの2026年9月3日の提示売却レート(1ドル=26,270ドン、1円=169.64ドン)に基づく概算である。
中国以外にも生産拠点を分散する動きや、人工知能(AI)の普及、欧州連合の炭素国境調整メカニズムへの対応を踏まえ、研究・設計を含む生産の高度化が求められる。
2.国内企業の競争力を強化
記事は、外資誘致の成果を投資額や案件数だけでなく、現地調達率、技術移転、生産性、国内企業の国際供給網への参加で評価すべきだと提言する。
多国籍企業と国内供給業者の連携を強め、半導体、AI、ロボット、バイオ技術、先端素材などの産業育成につなげる考えである。
3.デジタル化と脱炭素化を推進
クラウド、データ基盤、サイバーセキュリティ、人材への継続投資が必要である。AI活用が大企業に集中すれば、生産性格差が広がるため、中小企業への普及も重要となる。
2050年の温室効果ガス排出実質ゼロ目標に向けた再生可能エネルギーや循環経済の発展は、新産業の育成と欧米市場への輸出維持を支える。
4.人材育成と制度改革が基盤
人口構成上の優位性の縮小を見据え、大学改革、産学連携、海外のベトナム人人材の活用が必要である。透明で予見可能な法制度と行政のデジタル化も、投資家の信頼と資源配分の効率を左右する。
記事が示す優先課題は、生産性・革新重視の政策評価、戦略技術の育成、民間企業の資金調達・知的財産保護、行政運営の改善、教育・生涯学習・社会保障への投資の五つである。
