Masan High-Tech Materialsは2026年上期に2兆2,020億ドン(約130億円)の利益を計上し、前年同期の2,160億ドン(約12億8,000万円)の赤字から黒字転換した。タングステン価格の上昇と増産により、長期投資が収益に反映され始めた。 ※Masan High-Tech Materials(マサン・ハイテック・マテリアルズ):中国外最大級のタングステン資源・加工を担うベトナム資源大手
1.供給安全保障が評価要素に
中国が世界のタングステン供給の大部分を占める中、米国や欧州は調達先の分散を進めている。このため、中国以外の鉱山・加工拠点は、埋蔵量や採掘コストに加え、供給網の安定性からも注目されている。
2.価格上昇と増産で業績改善
2026年第2四半期のパラタングステン酸アンモニウム (APT:Ammonium paratungstate)平均価格は約3,245ドル(約50万4,000円)/MTUであった。精製タングステンの生産量は前年同期比91%増、鉱石処理量は29%増となった。※MTU:Metric Ton Unit
同四半期の主な業績は以下のとおりである。
・売上高:8兆1,380億ドン(約481億円)
・利払い・税引き・減価償却前利益(EBITDA):2兆4,920億ドン(約147億円)
・非支配株主持分控除前の税引後利益:1兆6,660億ドン(約98億4,000万円)
上期利益は、同社が過去16年間に計上した利益の合計に相当する水準である。
3.評価の焦点は収益力へ
同社は中国以外のタングステン資源と加工能力を持つが、市場での再評価が保証されたわけではない。今後は資源価格の変動に対応しながら、操業効率、利益、キャッシュフロー、戦略実行を維持できるかが重要である。
評価の焦点は、戦略資産の保有自体から、それが継続的に生み出す利益、キャッシュフロー、株主価値へ移りつつある。
※2026年8月26日のベトコムバンクの売却レート(1円=169.26ドン、1ドル=26,300ドン)に基づく概算である。
