News Pickup

ニュースピックアップ

2026.8.22

インフラ

経済

産業

ベトナム企業、用途別クラウドの選択が重要

8月20日にホーチミン市で開催された「Vietnam Cloud & Datacenter Convention 2026」では、AI、データ主権、法令遵守を踏まえたクラウド戦略が議論された。

1.単一クラウドから用途別配置へ

ベトナムIT大手であるVNPT-IT傘下VNPT Cloudのクラウドソリューション担当、コイ・フン氏は、「重要なのは、どのクラウドが最良かではなく、どのワークロードをどこに配置するかである」と述べた。

企業はシステムごとに、処理データの種類、性能、遅延、拡張性、法的要件、アクセス権限、障害許容度、移行可能性、総コストを評価する必要がある。

2.三つの環境を組み合わせ

コイ・フン氏によると、各クラウドの主な用途は次のとおりである。
・大規模パブリッククラウド:迅速な拡張や新技術の利用
・主権クラウド:機密データ、国内保存、データ主権への対応
・ハイブリッドクラウド:複数クラウドと既存システムの接続

これらは競合する選択肢ではなく、業務要件に応じて組み合わせる構成要素である。

3.国内クラウド事業者の新たな役割

海外事業者がベトナム国内でインフラを拡大するにつれ、通信遅延やデータ保存場所に関する国内外事業者の差は縮小するとみられる。

VNPT Cloudは、国内事業者の競争力として、ベトナムの法制度・事業環境への理解、現地での技術支援、既存システムとの統合能力を挙げている。国内事業者の役割は、サーバーや通信回線の提供から、企業のインフラ全体を設計・統合する支援へ移行するとの見方である。

4.クラウドはインフラ構成の設計課題へ

企業は単一のクラウドに依存する方式から、業務別の「ワークロードマップ」を作成する方式へ移りつつある。データ保護、法令、性能、運用コストを基準にシステムを分類し、それぞれを適切な環境へ配置する考え方である。

一方、複数のクラウドを同時に利用するには、アーキテクチャ設計、システム統合、セキュリティ、運用管理の高度化が必要となる。今後はクラウドサービス単体の性能だけでなく、複数環境を一体的に設計・管理する能力が企業の重要課題になると考えられる。