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2026.8.18

産業

不動産

ベトナム南部の産業用不動産、成長地域を再編

ベトナム南部の産業用不動産市場は、安定した稼働率を維持しながら、ホーチミン市、ドンナイ省、タイニン省が異なる機能を担う成長段階に入った。今後は面積の拡大だけでなく、インフラ、施設品質、ESG基準、開発速度が競争力を左右する見通しである。                                      ※ESG基準:企業の「環境(Environment)」「社会(Social)」「ガバナンス(Governance)」に配慮した取り組みを第三者機関が評価することで算出される指標。

1.地域ごとの役割が明確化
・ホーチミン市:整備された物流網と市場アクセスを生かし、高付加価値産業を誘致する中心地。
・ドンナイ省:広い用地と交通利便性を備え、インフラの品質向上を進める地域。
・タイニン省:低い土地・賃貸コストと豊富な用地を強みに、新規投資や越境物流を取り込む地域。
ロンタイン国際空港、環状3号線、ドンナイ―ホーチミン間の水運回廊は、今後2~3年間で地域間の接続性を高めるとみられる。

2.供給拡大に向けた準備が進展
2026年6月末時点の産業用地供給は3万6,063ヘクタールで、前年同期比4.6%増となった。ただし、新規案件は計画策定、投資手続き、インフラ整備の段階にあり、市場投入は予想より遅れている。
各地域では将来供給の準備が進んでいる。
・ドンナイ省:主要工業団地3カ所、計2,240ヘクタール
・タイニン省:工業団地49カ所、約1万6,000ヘクタール
・ホーチミン市:新規工業団地14カ所、3,833ヘクタール
中心部の用地不足を背景に、外国企業の生産拡大需要はドンナイ省とタイニン省へ移りつつある。

3.完成済み工場は品質重視へ
南部の完成済み賃貸工場の供給面積は685万平方メートルに達した。電子、半導体、物流などの高付加価値分野からの外国直接投資が、需要を支えている。
2026~2028年には約110万平方メートルの面積が追加される見込みで、内訳はホーチミン市65%、タイニン省29%、ドンナイ省6%である。市場は量的拡大から、設備品質、ESG基準、迅速な供給を重視する段階へ移行している。

4.水運が新たな成長要因
2026年末に着工予定の南部内陸水運回廊開発は、輸送費と道路渋滞の軽減につながる。特にドンナイ省の河川沿い倉庫の競争力を高め、ホーチミン市の物流拠点機能を強化する可能性がある。
タイニン省では地域連携と国境貿易の拡大により、中長期的な倉庫需要が見込まれる。三地域の機能分担と交通インフラの連携が、2026~2028年の南部産業市場を支える構造である。