ベトナム政府は、国有企業における国有資本の再編を加速させている。産業および企業の戦略的重要性に応じて「100%」、「65%以上」、「50%超〜65%未満」の3つの国有資本保有比率基準が新たに設定された。(首相決定第40/2026/QĐ-TTg号、2026年8月5日発効)
本枠組みは、根幹分野へ国有資本を集中させるとともに、その他の分野での民間参入や資本引き上げを推進することを目的としている。
1. 産業別の国有資本保有基準
・100%保有: 必須公共サービス、自然独占(1社供給が効率的な産業)、ハイテク、科学技術、イノベーション・DX、インフラ案件(交通・水利・エネルギー・デジタル)。
・65%以上保有: 空港管理・運航、航空輸送、重要港湾運営、大規模鉱物採掘、金融・銀行、機械工学、上下水道。
・50%超〜65%未満保有: 通信インフラ、鉱物探査、市場シェア30%以上の燃料輸入・セメント製造など。
※多部門展開企業においては、再編計画承認前3年間の売上高または生産高で最大割合を占める部門の基準が適用される。
2. 影響を受ける主要国有企業
・ペトロリメックス: 国有比率基準が「50%超〜65%未満」となるため、現在約75.8%を保有する政府は約11%の株式を売却する可能性がある。
・ベトナム空港公社: 「65%以上」が基準となるため、現在95.4%を保有する財務省からの追加売却が検討される可能性がある。
・その他: Dam Phu My(ペトロベトナム傘下の肥料会社、同社が約59.5%保有)やDAP-Vinachem(ベトナム化学グループ傘下企業、Vinachemが約64%保有)なども国有比率の見直し対象となる見込み。
3. 実施スケジュールと今後の見通し
政府は、Viettel、Vietcombank、VietinBank、BIDV(通信最大手1社、主要国有銀行3行)を除く19の主要国有グループ・公社に対し、8月12日までに財務省へ再編案を提出するよう命じた。
各省庁および地方自治体は8月31日までに5カ年再編計画を承認する必要がある。BIDV傘下の証券会社の分析によると、今回の見直しにより2016〜2018年同様のダイベストメント(保有資産・株式の売却)の波が到来し、株式市場への株式供給量が増加すると予想されている。
