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2026.7.31

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国庫定期預金の預貸率算入比率を50%へ引き上げ:銀行システムの流動性維持と信用拡大へ

ベトナム国家銀行(中央銀行)は、銀行安全基準に関する通達の修正措置(決定第1743/QĐ-NHNN号)を発行し、2026年8月1日から2028年7月31日までの2年間、預貸率(LDR:Loan-to-Deposit Ratio)の算出において商業銀行に預託される国庫定期預金の算入比率を現行の20%から50%へ引き上げる。本措置は、システム全体の流動性圧力を緩和し、経済への資金供給余地を広げることを目的としている。

1. 政策決定の背景と市場への影響

国庫預金の規模が大きい大手国営商業銀行(Vietcombank、BIDV、VietinBank、Agribank、MB等)を中心にLDR指標が改善され、信用伸びしろの拡大と調達金利の上昇抑制が見込まれている。

● 短期金融市場・株式市場の反応: 決定発表を受け、銀行間市場(7月30日)のVND無担保コール市場では、翌日物金利が0.60ポイント下落し、過去最低水準の年0.7%まで低下した。また、株式市場では大手国営銀行株が買われる展開となった。

● 政府決定(第168/NQ-CP号)の履行: 財務省に対し、一時的な余剰国庫資金を商業銀行へ定期預金として預託する枠組みの拡大(四半期あたり50%上限の撤廃検討含む)が要請されていた。

2. 信用成長と資金調達ギャップの課題

中長期的な流動性課題の解消に向け、本措置による貸出余地の確保が期待される一方、銀行システム全体には依然として資金ギャップが存在している。

● 貸出と預金の成長乖離: ベトナムの大手商業銀行であるアジア商業銀行(ACB)傘下のACBS証券の分析によると、2026年7月10日時点の信用成長率(7.91%)が預金成長率(6.07%)を大幅に上回り、流動性ギャップは約2,700兆ドン(約16.27兆円1 JPY = 169.26 VNDで換算)に達している。

● 資金調達コストと純金利サヤ(NIM:Net Interest Margin)への圧力: 国家銀行の試算では、2026年の全社会投資資金ニーズは約5,100兆ドン、2026〜2030年期間では38,500兆ドンに上り、銀行信用への依存度が極めて高い(2025年時点の対GDP信用比率は約145%)。MBS証券は、預貸ギャップ拡大に伴う預金金利の高止まりが資金調達コストの上昇を招き、NIMを圧迫し続けると指摘している。