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2026.7.21

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ベトナム政令101/2026/ND-CPにおける自動車・バイク業界が直面する法的リスク

技術移転法を細則化するベトナム政府政令第101号(101/2026/ND-CP)において、規制対象となる技術の名称に「Euro4」や「Euro5」といった製品の「排気ガス基準」が使用されている。これに対し、ベトナム自動車製造業者協会、ベトナム二輪車製造業者協会、および国内メーカーの専門家から、製品の品質基準と製造技術そのものが混同されており、法的な不透明感から技術移転や事業展開に著しい支障をきたすとの懸念が相次いでいる。

1. 規制における混同と技術的差異

政令101号の附録II(譲渡制限技術)および附録III(譲渡禁止技術)では、Euro4/Euro5相当の排気ガス基準を満たす自動車・二輪車・エンジン等の製造・組み立て技術が指定されている。しかし専門家らは、排気ガス基準は最終製品に対する環境要求であり、製造技術そのものを指すものではないと指摘する。

排気ガス基準の定義: Euro3〜6はEUが定めた排出ガス(CO、NOx、PM等)の上限値(製品のアウトプット)であり、製造ライン、ノウハウ、個別技術を記述したものではない。これは「5つ星安全基準」を自動車の製造技術と呼ぶのが不適切であるのと同様である。

構造の複雑性と技術の多角性: 自動車(約2.5万〜3万部品)や二輪車(約3,000〜5,000部品)は、多数の専門サプライヤーによる多様な技術の集合体である。排気ガス基準の達成は、燃焼最適化、高圧燃料噴射、EGR/SCRなどの技術の「統合・チューニング」によるものであり、「Euro5製造技術」という単一の技術取引は存在しない。既存ラインのジグ変更や高規格エンジンの採用のみで対応できるケースも多い。

2. あいまいな記述がもたらす実務上の法的リスク

実務においては単一の「Euro5技術移転」ではなく、個別技術のアップデートが継続的に行われるため、規定のあいまいさが査定現場での不透明感を生んでいる。

行政手続きの二重化: ECUソフトウェアの更新や触媒の変更といった通常の改定であっても、当局から「Euro5技術の移転」とみなされる恐れがある。結果として、技術移転の許可申請と製品の排気ガス適合認証という、同一目的のための「二重の手続き」を強いられる。

予見可能性の欠如と投資減退: 法的境界線が不明確な場合、企業は新規プロジェクトや技術導入を躊躇・遅延させ、技術の現地化ではなく完成車・ユニットの輸入へ切り替えるリスクがある。これは国内裾野産業の育成方針と逆行する。

3. 技術管理と製品管理の「二元分離」に向けた提言

業界団体および専門家は、政令101/2026/ND-CPの改訂において、管理軸を「技術」と「製品」で明確に切り分けることを強く求めている。

技術評価の適正化: 技術移転の制限・禁止は、製品の排出ガス基準ではなく、設備の耐用年数、自動化レベル、エネルギー消費効率、精度制御力、次世代への拡張性といった「技術・設備の客観的性能」に基づいて判定すべきである。

製品管理の既存枠組み活用: 流通する車両の環境適合性については、登録総局傘下の原動機付道路交通手段排気ガス試験センター等による現行の型式指定・品質認証制度で管理すれば十分である。