ハノイ市保健局のグエン・チョン・ジエン局長は、2026年6月29日に開催された「ハノイ市包括計画100年ビジョン公表・投資促進会議」の席上、同市におけるスマート医療のロードマップを明らかにした。市は科学技術、イノベーション、デジタル・トランスフォーメーション(DX)を新たな成長原動力とする「決議第57号」に基づき、2027年までに3つのスマート病院を構築するほか、ドローンを活用した医療搬送などの最先端技術の導入を進める。
1. 医療DXと先端技術の導入計画
ハノイ市保健局はスマート医療アーキテクチャの枠組みを構築中であり、以下の先端技術の導入を具体化している。
・救急・搬送のスマート化: スマート院外救急指揮システムのほか、検体や救急機器を搬送するための無人航空機の活用を推進する。
・AIの活用と国際連携: 複雑な疾患の診断・治療に人工知能を導入する。同時に、先進的な医療技術の移転・受け入れに向けた国際協力を強化する。
・法改正による権限委譲: 「首都法」の改正に伴い、従来は保健省が管轄していた「外国人医師への免許交付」や「各医療機関における高度専門技術の評価・承認」の権限がハノイ市に委譲された。これにより、医療分野全体における技術導入とDXの迅速化が可能となる。
2. スマート病院のロードマップと投資規模
短期的目標として、市が管理する全病院での「ペーパーレス化(電子カルテ等の完全導入)」を完了させる。
2026〜2027年までに3大病院をスマート化:
・ザンポン病院
・ハノイ腫瘍病院
・タインニャン病院
各病院に対し、スマートシステム構築のため4,000億〜5,000億ドン(約24.0億〜30.0億円)の投資を予定している。すでに日本、中国、台湾、フランスなどのパートナー企業がモデル構築のコンサルティングや協業に参画している。
2030年までにスマート医療アーキテクチャの枠組みを完成させ、包括的な医療DXを達成することを目指す。
3. 100年ビジョンに基づく医療インフラの配置
ハノイ市が策定を進める「100年ビジョン都市計画」に対応し、医療ネットワークの再整備を行う。
・成長極との連動: 市が設定した「9つの成長極」の発展方向に合わせ、公立・私立の医療システムを統合的に配置する。 ※成長極:都市開発の核となる開発拠点
・職住・都市空間との同期: 新たな都市空間の拡大と同期した医療インフラを整備することで、既存の都心部医療機関の過密状態を緩和し、長期的な住民の保健医療ニーズに対応する。
※ 2026年6月30日時点のベトナムコンバンクの公示為替レートに基づき一括計算。
1 JPY = 166.60 VND
