2026年5月、ベトナムの完成車輸入台数が前月比で急増する中、インドネシアからの輸入が全体の約48%を占め、国別シェアで首位に立った。インドネシア製車両は低価格を強みとしており、これにより輸入車の平均価格が下落している。この供給拡大は、2026年後半のベトナム自動車市場における価格競争をさらに激化させると予測されている。
【5月の自動車輸入動向と市場の変化】
ベトナム税関総局の統計によると、5月の完成車輸入は台数・金額ともに前月から大幅に増加した。
■全体の輸入実績: 輸入台数は2万3,730台(前月比43.1%増)、輸入額は約5億4,800万米ドル(約863.5億円、同26.2%増)となった。
■インドネシアの急伸: インドネシアからの輸入台数は前月の約3倍となる1万1,308台に達し、首位となった。
■平均輸入価格の下落: インドネシアからの大量流入により、5月の1台あたり平均輸入価格は約2万3,078ドル(約363.6万円)へ下落した。これは、需要がシティカー、小型SUV、ファミリー向けMPVへシフトしていることを反映している。
※【参考】累計実績:2026年1〜5月期の自動車輸入累計は、前年同期比で台数が14.2%増(約9万5,900台)、金額が25.7%増(約3,616億円)となった。
【その他の主要輸入国の動向】
■中国(輸入額首位): 輸入額ベースでは2億1,300万米ドル(約335.6億円)を超えトップを維持。電気自動車やハイブリッド車などの高価格帯・最先端技術車両が中心である。
■韓国(最高価格帯): 高級セグメントに位置し、5月の輸入はわずか2台ながら、1台あたり平均16万米ドル(約2,510万円)を記録。
■インド(最低価格帯): 1台あたり平均5,000米ドル強(約78万円)と、最も低い。
【インドネシア製車両が優位に立つ理由】
専門家および販売代理店(ディーラー)関係者は、インドネシアの強みとして以下の3点を挙げている。
■量産によるコスト優位性: トヨタ、三菱自動車、スズキ、ダイハツなどの日系メーカーがインドネシアに大規模な輸出拠点を構えており、量産効果で製造コストを抑制している。
■関税撤廃: ASEAN物品貿易協定(ATIGA)に基づき、原産地規則を満たす車両は輸入関税が0%となるため、ASEAN域外からの輸入車に対して高い価格競争力を持つ。
■市場ニーズとの合致: ベトナム国内では購買力の完全回復には至っておらず、アクセスしやすい価格帯の大衆車や多目的ファミリーカーへの需要が集中している。一部モデルでは、タイ製車両よりも数千万ドン安く設定されている。
※2026年6月19日時点のベトナムコンバンクの公示為替レートに基づき計算。
1 USD = 26,440.00 VND
1 JPY = 167.79 VND
(算出レート:1 USD = 157.58 JPY)
