ベトナム政府は2026年4月5日、スタートアップ国家戦略(政令第86/NQ-CP号)を正式に発出した。
現在、ベトナムには4,000社以上のスタートアップと2社のユニコーン企業が存在するが、2030年までに企業価値10億ドル以上のユニコーン企業を最低5社(現在より3社増)創出することを目指すというものです。 ※ユニコーン企業:未上場で企業価値が10億米ドル以上と評価されるスタートアップ企業
【2030年および2045年に向けた主要目標】
政府はイスラエルや韓国、シンガポールの成功事例を参考に、科学技術とデジタルトランスフォーメーション(DX)を土台とした以下の数値を設定した。
2030年までの目標:
・ユニコーン企業: 最低5社を形成
・ベンチャーキャピタル(VC)市場: 市場規模を15億ドルに拡大
・企業数: 500万の経済主体を形成し、うち1万社をスタートアップとする
・教育・インフラ: 全高等教育機関での起業教育導入、全国300拠点以上のイノベーションセンター設置
・世界ランキング: グローバル・イノベーション・指数(GII)で世界トップ40位以内を目指す ※GIIは各国のイノベーション力を評価する国際指標で、世界知的所有権機関(WIPO)が毎年公表
2045年までのビジョン:
・企業価値1億ドル以上の企業を最低100社創出
・VC市場規模を100億ドルに拡大
・イノベーション・スタートアップ分野で世界トップ30位入りを果たす
【戦略的ソリューション】
ビジョン実現のため、政府は以下の3つの柱を推進する。
・革新的な法的枠組みの構築: 行政手続きの100%デジタル化を推進。また、新技術のための「サンドボックス(規制のサンドボックス制度)」や、再起業を容易にする「簡素化された破産手続き」などの特区制度を試行する。 ※規制のサンドボックス制度:新技術・新サービスの実証を一定期間既存規制の適用外または緩和のもとで行う制度
・人材育成とエコシステムの整備: 初等教育から大学まで起業家精神を教育課程に組み込む。また、共通インフラやデジタルプラットフォームを構築し、コミュニティ全体の起業環境を整える。
・資金調達の円滑化と国際統合: 国・地方・大学レベルでのベンチャーキャピタル基金を育成。知的財産を担保とした信用保証や直接的な財政支援メカニズムを構築し、ベトナム企業をグローバルバリューチェーンへ組み込む。
