2026年3月24日、ベトナム最大手の工業用・物流用不動産デベロッパーであるBWインダストリアル(BW)は、ハイテク産業およびハイパースケールデータセンターの需要取り込みを目的とした2つの重要な覚書(MoU)を締結した。提携先は、Becamex IDC(ベトナムの工業団地開発最大手) とVSIP(ベトナム・シンガポール工業団地)が共同出資して設立した電力投資開発会社(BV Power)およびベトナム・シンガポール・スマートエネルギー・ソリューション(VSSES)である。
【データセンター向け700MW級の電力供給計画】
BV Powerとの提携により、BWは「BWサプライチェーン・シティ」において大規模な電力インフラを開発する。
・段階的ロードマップ: 今後12ヶ月以内に第1段階として120MWの供給を開始し、3〜5年以内には220kVおよび110kV変電所の増設を経て、総供給能力を約700MWまで引き上げる計画である。 ※700MWは中規模火力発電所1基に匹敵する規模
・戦略的立地: 同プロジェクトが位置するビンズオン省エリアは、ホーチミン市の都市計画においても「集中デジタル技術区」としての発展が期待されており、データセンター特有の膨大な電力需要に即応する体制を整える。 ※ビンズオン省はホーチミン市北部に隣接する主要工業地帯
【再生可能エネルギーへのコミットメント】
VSSESとの協力により、BWバウバン工業団地において、ベトナムの工業用不動産分野で最大規模となる屋根置き型太陽光発電システムを導入する。
・規模と効果: 約24万㎡の屋根面積に30MWpの設備を設置し、年間最大4,050万kWhのクリーン電力を生成する(一般家庭約1万世帯分の年間電力消費に相当)。
・拡張性: BWは今後、保有する約300万㎡の屋根面積を活用し、太陽光発電容量を100MWp超まで拡大する潜在力を有しており、テナント企業のESG目標達成を支援する。 ※ESG目標:環境・社会・企業統治に配慮した経営のための具体的な数値目標
【展望】
BWのランス・リー総局長は、クリーンかつ安定したエネルギーインフラこそが、次世代の工業成長における「絶対的な競争優位性」になると述べている。有力株主(Warburg Pincus(世界的に有名なプライベート・エクイティ・ファンドの)、Becamex IDC、ESRグループ(不動産アセットマネジメント会社))の支援を背景に、BWはベトナム経済のデジタル化とグリーン化を加速させるインフラプロバイダーとしての地位を固める構えである。
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