ホーチミン市は現在、強力なデジタルトランスフォーメーション(DX)の一環として、大規模な「データクリーン化」キャンペーンを展開している。市はデータを単なる蓄積情報ではなく、国の「戦略的資産」と位置づけ、情報の孤立状態を打破し、共有データ倉庫の構築を目指している。 ホーチミン市デジタルトランスフォーメーションセンター(HCMC-DXCENTER)のヴォ・ティ・チュン・チン所長に詳細を聞いた。
【データ主導の意思決定と行政サービス】
今回のキャンペーンは住民、土地、企業登記の3つの基盤分野に焦点を当てている。
・行政の効率化: データのクリーン化と連結により、住民が何度も書類を提出する手間を省き、教育や都市計画などの分野でデータに基づいた正確な意思決定(エビデンスに基づく政策立案)を可能にする。
・政府の役割変化: 紙ベースの管理からデータガバナンスへと移行し、市民へのサービス品質を向上させる。
【サイバーセキュリティと「能動的防御」】
共有データの集中管理に伴い、サイバーセキュリティが最優先課題となっている。ベトナム共産党事務局が発行した「指令57号(57-CT/TW)」に基づき、市は以下の対策を講じている。
・能動的防御: 事後対応ではなく、システム設計段階からセキュリティを組み込む「セキュリティ・バイ・デザイン」を導入し、リスクを早期に特定・排除する。
・階層管理と権限分離: 各機関が職務に必要なデータのみにアクセスできるよう厳格なアクセス制御を行い、すべての活動ログを監視する。
【今後の展望:国産技術と人材育成】
市は、データセキュリティの自主・自立を掲げ、国内のIT企業(Made in Vietnamソリューション)との連携を強化している。また、データの商用化を見据えたサンドボックス(実証実験)の構築や、デジタルスキルの普及活動を通じて、住民一人ひとりがデータ保護の重要な担い手となるエコシステムの形成を目指している。
