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2026.3.22

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「1人当たりGDP 6,000ドル」の節目を控えるベトナム:資金はどのチャネルに流入するか?

2026年証券市場発展会議において、TCBS(ベトナム大手民間銀行テクコムバンク傘下の証券会社)のグエン・ティ・トゥ・ヒエン総局長は、ベトナムが間もなく迎える「一人当たりGDP 6,000ドル」という節目に注目した。

現在、ベトナムの資産運用市場には43の運用会社が存在し、運用資産残高(AUM:Asset Under Management)は800兆ドン(約4.8兆円)を突破。2014年比で7倍超、年平均成長率(CAGR)約20%という急成長を遂げている。一方で、対GDP比の運用資産割合は約6%にとどまり、タイやマレーシア等の近隣諸国と比較しても、依然として膨大な「キャッチアップ」の余地を残している。

ヒエン総局長は、タイやマレーシアの先例を引き合いに、この水準を超えると金融資産への投資比率が最大4倍に急増する傾向を指摘した。これは、従来の短期的な投機スタイルから、専門家を通じた中長期的な資産運用へと国民の投資行動が抜本的に変化する「爆発的ポイント」になると予測される。

【成長に向けた課題と提言】
業界のさらなる発展に向け、以下の3点が重要視されている。
金融教育の推進: 個人が金融商品を正しく理解し、ポートフォリオを多様化できるよう、官民およびメディアが一体となった教育が必要である。
・税制優遇の拡充: 任意年金基金などの長期投資チャネルを活性化させるため、現在月額300万〜500万ドン程度(約1.8万〜3万円程度)となっている所得税控除枠の引き上げが提案されている。
・商品ラインナップの拡充: インデックスファンドやETFの展開を加速させ、投資家の選択肢を広げる必要がある。

【今後の展望】
SSIアセットマネジメントのグエン・ゴック・アイン総局長は、同業界を高い成長性を秘めた「スタートアップ」や「ユニコーン」に例えた。法整備が進む中、今後はIPO(新規株式公開)への参画やデリバティブ商品の拡充を通じ、同業界がベトナム経済における中長期的な資金供給の柱(メインチャネル)となることが期待されている。